Beyond Explanation.
本ブログでも度々, 生成文法の変遷は取り扱っており, 生成文法がそれまで言語の特性を明らかにしてきたことをまとめる一方で, それがなぜそうなっているのかと説明を求めるところまで発展してきていることを述べた.
この研究指針を明確に示しているChomskyの論文で, 文字通り”Beyond Explanatory Adequacy”という論文がある. この1節を引用したい.
In principle, then, we can seek a level of explanation deeper than explanatory adequacy, asking not only what the properties of language are but also why they are that way.
(Chomsky, 2004, p. 105)
原理的には, したがって, 我々は説明的妥当性よりも深い説明のレベルを求めることができる. 言語の特性が何であるかだけでなく, なぜそれらがそのようであるのかをも問うのである.
(筆者訳)
言語の特性がなぜそのようであるのかを問う. これは非常に重要な研究の指針であり, 大きな方針転換と言えるだろう.
参考文献
- Chomsky, N. (2004). Beyond explanatory adequacy. In Structures and beyond: The cartography of syntactic structures (Vol. 3, pp. 104–131).