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可能な限りミニマルに
ミニマリストプログラムは、従来の理論と決別と言っていいほど大きな転換を行い、過去に想定していた様々な要素を排除する方向に理論の方向性を変えた. その中でもとりわけこの大転換を明確に表している一節を、今回は取り上げる.
On such grounds, we try to eliminate levels apart from the interface levels, and to maintain a bare phrase structure theory and the Inclusive-ness Condition, which bars introduction of new elements (features) in the course of computation: indices, traces, syntactic categories or bar levels, and so on.
(Chomsky, 2001, pp. 2-3)
この一節を見ると、いかに従来の理論に基づかない形で、論を進めようとしているのかがわかる. 重要であった痕跡やバーレベルの要素を削除しようと試みているのだ.
これは明確な大転換であり, この流れを汲んでおかないと生成文法の初学者は大きな混乱を招くであろう.
参考文献
- Chomsky, N. (2001). Derivation by phase. In M. Kenstowicz (Ed.), Ken Hale: A life in language (pp. 1–52). MIT Press.