コミュニケーションとは?
一般的な社会では言語はコミュニケーションとしての手段と言うような言説が広がっている。(これに対して生成文法学派の1部はコミュニケーションの誤謬として批判をしていたりもするが)
ここでは 1度、言語をコミュニケーションの手段として 仮定しておくが、進化生物学として考えると このコミュニケーションと言うものには定義があるらしい。
Hatakeyama (2017) もよれば下記である。(なお、Hatakeyama も Slater からの引用を行なっている)
信号の受信者の行動が変化することで、長期的に見れば信号の発信者の遺伝子を拡散することにつながる。すなわち発信者の利得につながる」ような信号のやりとりのことと定義する
(Hatakeyama 2017)
非常に生物学的な発想で 興味深い定義である。
またここで、このコミュニケーションでやり取りされる信号は「正直」である必要があるとのことだ。 この時の「正直」と言う表現は、発信者の情報を 反映していると言う意味である。
例えば、カエルの求愛の声は体のサイズが大きい個体ほど低い声が出せる。 それはその個体の栄養状態が良いと言うことを反映しており、その信号は正直であると考えられる。
参考文献
- 畠山雄二. (2017). 最新理論言語学用語事典.
- 岡ノ谷一夫. (2015). 情動の進化と言語の創発. 学術の動向, 20(9), 962-964.