3種類の素性
生成文法の中では, 語彙項目には, 素性(feature)というものが含まれていると考えられている. これは生成文法の時代の中で多少異なる扱いを受けるが, 基本的には次の3種類に分けることができる(形式素性はさらに細分化して記す).
- 形式素性 (formal features)
a. 範疇素性 (categorial feature)
b. φ素性 (φ-features (person, number, gender))
c. 格素性 (Case feature) - 意味素性 (semantic features)
- 音声素性 (phonetic features)
これらが全て素性ではあるが, それぞれ異なったタイミング, 異なった部分で役割を果たす. ミニマリストプログラムでは例えば形式素性は, 素性照合(feature checking)と呼ばれる処理の中で用いられると考えられる.
その他の意味素性はLogical Formのインターフェース, 音声素性はPhonological Formのインターフェースでその役割を果たすような想定をされている.
裏を返すと, 語彙項目は本質的には素性の束であると考えることができる.
参考文献
- 渡邊, 明. (2005). ミニマリストプログラム序説: 生成文法のあらたな挑戦. 岩波書店.
- ミニマリスト・プログラム概説 https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2021/03/2010_gengokouzouron-a_08.pdf