言語と音楽は同じものか?
以前の投稿で, Shared Syntactic Integration Resource Hypothesis (音楽と言語の共有統語融合資源仮説)についてまとめた.
この仮説では, 音楽が階層構造を持つことを前提に, 言語と音楽の階層構造が脳内で資源の一部を共有していると主張されている.
これに類似したものとして, Katz and Pesetsky (2011)が主張する”Identity Thesis for Language and Music”がある.
Identity Thesis for Language and Music
All formal differences between language and music are a consequence of differences in their fundamental building blocks (arbitrary pairings of sound and meaning in the case of language; pitch-classes and pitch-class combinations in the case of music). In all other respects, language and music are identical.
(Katz and Pesetsky, 2011)言語と音楽の同一性仮説
言語と音楽の形式的な違いは, すべてそれぞれの基本的な構成要素の違いに起因する(言語の場合は音と意味の任意の組み合わせ, 音楽の場合はピッチクラスおよびピッチクラスの組み合わせ). その他の点では, 言語と音楽は同一である.
(ChatGPT 訳)
この仮説は, 構成要素以外は同一であると主張する大胆なものであり, 非常に興味深い. しかし, その妥当性を慎重に検討する必要がある.
参考文献
- Patel, A. D. (2003). Language, music, syntax and the brain. Nature neuroscience, 6(7), 674-681.
- Pesetsky, D., & Katz, J. (2011). The Identity Thesis for Language and Music. Unpublished draft.