言語は思考のためのツールかコミュニケーションのためのツールか?


孤独なミュータントの問題の投稿で次のように記した。

言語は、コミュニケーションを目的としたのではなく、思考を目的として進化してきたのではないかとする考え方もある。

ここで書いたように 言語と言うものはコミュニケーションという外部との関わりを重視する捉え方と思考という内部での処理を重視する考え方の二通りがある。

この部分をもう少し深掘りしてみたい。

コミュニケーションツールとしての言語を考えるときには 1個体とそれ以外の外部の存在との関わりが重要になってくる。 つまり、1個体から外部に対して表出される言語と言うことで外在的な言語と考えることができる。

他方、 思考のツールとしての言語を考えるときには、1個体内での処理が重要になってくるため、 1個体の内部での処理を行うための言語と言うことで内在的な言語と考えることができる。

内在的な言語としては統語構造は階層関係で定義できるが、外在的な言語にする場合は媒体の特性上、階層構造を線形構造に変換する必要が発生する。

この外在化のプロセスに至って様々な言語間(例えば日本語と英語のような)の言語の多様性が表出する。

内在的な言語のみを考えるならば、そのような多様性を排除できるかもしれない。そういった観点はチョムスキーの生成文法につながっていくだろう。

参考文献

  • 畠山雄二. (2017). 最新理論言語学用語事典.

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