脳における半球の特性


人間の脳は1つの個体ではなく、 しばしば右半球と左半球に分けて話をされる。よくテレビなどで 一般的に右脳左脳などと表現され、 右脳はクリエイティビティーを担い、 左脳は、ロジカルな面を担うなどと占いのように言われているアレである。

さて、人間の言語能力に関して脳科学の分野から頻繁に話題に上がるのが、ブローカ野とウェルニッケ野である。 興味深いことに、 この2つの脳領域は共に言語の左半球に存在している。実際、ブローカはこのことにいち早く気づき、《Nous parlons avec l’hémisphère gauche》 (われわれは左半球で話しているのだ)という言葉を残した。

さて、このように人間の能力の1部を脳の片側の半球が担うことを脳の側性化 (Lateralisation)と表現する。この場合は言語能力が左半球に側性化していると考えられる。

また、興味深いことに 出生直後の乳児でも、言語に対する反応は左半球の方が大きいと言うことから、出生前に言語の有意な半球が決定されていると言うことを示唆している研究もある。

参考文献

  • 木下裕昭. (2010). 失語症における言語の産出と理解. 和洋女子大学紀要, 50, 187-200.
  • Uno, A., Shinkai, N., Kozuka, J., Sakamoto, K., Haruhara, N., Kaneko, M., & Kaga, M. (2002). Plasticity and Lateralization—from Data on Acquired Childhood Aphasia—. The Japan Journal of Logopedics and Phoniatrics, 43(2), 207-212.

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