33文字の単語


私のような日本語が母語の人間や, 日本で教育を受け, 主に外国語として英語に接してきた人間からすると, 言語というのは単語から文が出来上がると考えがちである. しかし, 世の中にはpolysynthetic language(抱合語)と呼ばれるような, 我々の言語とは異なる特徴を持った言語も存在している. Baker (2008) は次のように, 非常に興味深い例を紹介している.

One of my favorite (though slightly artificial) examples is: Washakotya’tawitsherahetkvhta’se’. ‘He made the thing that one puts on one’s body [i.e., the dress] ugly for her.’ This is a thirty-three-letter word… the most literal English translation of which needs a thirteen-word sentence.

(Baker, 2008, p. 40)

これは北米先住民の言語であるMohawk(モホーク語)を題材に, 抱合の例を紹介している. 与えられている英語から翻訳するとすれば, 「彼は彼女のために, 人が体に着けるもの(ドレス)を醜くした」というような内容になるであろう.

これは我々日本語話者にとっては文章として考えるが, モホーク語ではこれを一つの単語として扱い, なおかつその順番を間違えると意味をなさないものになってしまうという. この意味をなさなくなるという点は非常に興味深い. なぜなら, この項構造自体もシンタックス側の処理により行われている可能性を検討できるからだ.

参考文献

  • Baker, M. C. (2008). The atoms of language: The mind’s hidden rules of grammar. Basic Books.

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