音楽と言語の起源とは?


我々の理性は音に対して無防備であると考えることができる。

例えばドラマで悲しい別れのシーンを見る時、 そこにはその悲しさを彩る切ない雰囲気の曲が流れていることが大半で その中でセリフがやりとりされる。 しかし曲がポップな曲に変わればセリフが同じでも、その雰囲気はがらりと変わるだろう。

これは我々の感情と言うのは 言語としての音よりも、音楽としての音のほうを優先して処理すると考えることができる。

このように音楽と言語は同じ音情報であるため、どのように関係しているかの議論がやりとりされてきた。

星野 and 宮澤 (2016) によるとPlato は歌は言葉(歌詞)と調べ(音階)とリズム(拍子・韻律)から成り、歌とリズムは言葉に従うと考えたらしい。つまり、言語の方が他の2 つの要素よりも優先されたということだ。

他方、社旗契約論で知られるJean-Jacques Rousseau は言語の起源は情念であり、愛や憎しみという感情が叫び声等になったと考えた。そのため感情を起源とした音楽が言語よりも先行していたと主張する。

このように長い間議論が続けられている音楽と言語の起源の関連性だがまだ答えは出ていない。

以前、別の投稿でまとめたSSIRHは こういった議論を科学的に研究する分野と言えるだろう。

参考文献

  • Patel, A. D. (2003). Language, music, syntax and the brain. Nature neuroscience, 6(7), 674-681.
  • 畠山雄二. (2017). 最新理論言語学用語事典. EBSCO eBooks.
  • 星野悦子, & 宮澤史穂. (2016). 音楽と言語の比較研究. 音楽知覚認知研究, 22(1), 11-31.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です