言語能力の発達について


人間の言語能力が生得的であるならば, 我々は本来「言語を学ぶ」という表現は適切ではないことになる. 生成文法では, 言語能力が生得的であると仮定するため, 言語 (ここでは具体的には文法) は学習するものではなく, 本来備わっている能力が段階的に発達すると表現することができる. この考えを端的に示す表現に出会ったので, 以下に引用する.

チョムスキーの意見は、我々が前理論的に「学習」と呼んでいるものの多くは、おおむね、あるいは全面的に、生得的・特定的な構造が成熟し、誘発されたことに由来し言語獲得にもこれが当てはまることが判明するだろう、とするものである。言語獲得にもこれが当てはまることが判明するだろう、とするものである。この見解に従えば、言話を獲得すること(また、顔認識力を獲得すること、視覚が機能するようになること)は、歯が生えてくることにも似ている。

(Imai et al., 2019)

成熟と誘発という概念は, いわゆる学習とは異なる. 歯が生えてくることを, 努力によって獲得したものと捉える人はいないだろう. 生成文法では, 同様に言語能力も時間とともに成熟し, 生得的な構造が発話を誘発すると考えることができる.

参考文献

  • 今井, 中島, 西山 & 外池. (2019). チョムスキーの言語理論: その出発点から最新理論まで.

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