動詞との組み合わせ
Particleという言語学で用いられる概念が存在する. 今回はこのParticleをLohse, Hawkins, & Wasow (2004) からまとめたい.
Particleとは, 主に動詞と組み合わさり, 句動詞(verb-particle constructions)を形成する小さな語である. 例えば, 「look up」や「pick up」といった表現に見られるように, 動詞の後に続くことで特定の意味を持つ句動詞を作り出す役割を担っている.
句動詞におけるParticleの配置は, 動詞のあとにどのように配置されるかによって異なる. 例えば, 「She looked up the number」(彼女はその番号を調べた)と「She looked the number up」(彼女はその番号を調べた)のように, Particle「up」が動詞「looked」の後ろまたは目的語の前に配置される場合がある. この配置の選択には, 目的語名詞句(object NP)の長さや動詞とParticleの依存関係が影響を与える.
Particleは大きく分けて「依存的Particle(Dependent Particle)」と「独立的Particle(Independent Particle)」の二種類が存在する. 依存的Particleは動詞と強く結びついており, その意味が動詞に依存しているため, 動詞との隣接が好まれる傾向がある. 例えば, 「carry out」(実行する)は依存的Particleであり, 「carry the plan out」と「carry out the plan」の両方が可能だが, 動詞とParticleが隣接する「carry out the plan」が処理効率的に優れている.
一方, 独立的Particleは動詞とは独立して意味を持つため, 目的語の長さや構造に応じて動詞の前後に配置されることがある. 目的語名詞句が長い場合には動詞とParticleを隣接させる配置が選ばれやすい.
参考文献
- Lohse, B., Hawkins, J. A., & Wasow, T. (2004). Domain minimization in English verb-particle constructions. Language, 238-261.