無限の表現を可能にする特性。


人間の言語はその特性として、 有限の要素から無限の文を生成することができる。

これは人間の言語が、他の動物と比べて圧倒的に複雑な表現を持つことに通じている。

この無限の文を生成するための条件として、人間の言語にはいくつかの特性がある。 その1つが再帰性 (Recursion)と呼ばれるものだ。

この再帰性の代表的な例にある分を別の分に埋め込むと言う文の埋め込み (embedding) がある。

例えば、 次の文章があるとする。

  1. It is a pen.

これは1つの文として完結している。 しかしこの文章を別の文章に埋め込んで次のような表現もできる。

  1. He said that it is a pen.

これは It is a pen という文章が He said that の中に文字通り埋め込まれていると言える。これが埋め込み (embedding) である。

さらにこの再帰性を持ってすれば、(理論的には)文章を永遠に伸ばすことが可能になる。例えば、先ほどの(2) の文章を伸ばして次のような表現ができる。

  1. She said that he said that it is a pen.

参考文献

  • 原口庄輔, & 中村捷. (1992). チョムスキー理論辞典. 東 京: 研 究 社 出 版.

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