消化する人形


ヴォカンソンの自動人形というものの存在を知った.その中の一つにアヒルの人形があるらしい.
これは簡単に言えば,非常に精巧にできたアヒルの人形である.どのくらい精巧かというと,(あくまで見かけ上ではあるが)ものを食べることができ,さらにフンまで行うことができるそうである.

しかし,ここで留意したいのは,表から見えるものが同じように見えても,あくまでこれは人形であるため,内部では当然,実際のアヒルとは全く異なる機械じかけの仕組みが働いていることである.

外から見て,同じものが,必ずしも同一の処理をしているとは限らないという,言われてみれば当たり前であるが,日常生活の中でついつい忘れてしまう事実を思い起こさせてくれる.

そしてこのことは研究をしていく中でも非常に重要である.同じように見える処理でも裏側の仕組みが見えていない場合,ついつい我々は裏側も同じ仕組みで動いているのだろうと考えてしまう傾向が強いだろう.

ただし,それはあくまで推測の域に過ぎず,本当にそれを確認したければ裏側を見なくてはいけないし,もし仮に裏側が見えないのならば,一つの事象から判断するのではなく,複合的な視座で裏側の仕組みを推測する必要がある.

参考文献

  • 三枝桂子. (2014). 18世紀ヨーロッパの自動人形と機械論の関係. 文化交流研究, (9), 1-22.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です