構成素


言語は基本的に文単位で用いられるが, さらに細かく見ていくと, より小さい単位に分割できる. 例えば単語である. 次の例を見てみたい.

  1. The cat eats many fish.

この文は, The, cat, eats, many, fishという5つの単語からできている. しかし, よく考えてみると, 文と単語という分類の間にさらに中間的な分類はないだろうか.

具体的に言えば, “The cat”や”many fish”といった具合である. これは例えば, “*eats many”だけが出現することは基本的にないが, “The cat”や”many fish”はそれが単独で出現しうることからもわかる.

このように複数の単語が組み合わさって一つの単位となったものをConstituency (構成素) と呼ぶ.

文は単語によって構成されるが, より細かく言い換えるならば, 複数の単語からなる構成素によって構成されると言うことができるだろう.

“*eats many”の例からもわかるように, 構成素は無制限に産出できるものではなく, 様々な法則によって産出可能なものと不可能なものがある. ゆえに, 構成素は統語論の中で非常に重要な概念となる.

参考文献

  • Carnie, A. (2021). Syntax: A generative introduction. John Wiley & Sons.

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