重要な事物の側面


本ブログでは, たびたび言語学者の言葉を引用し, まとめている. 今回はあえて別の分野から引用を行い, 言語学ひいては生成文法につながる重要な意識を持ちたい.

今回まとめるのは, Ludwig Wittgensteinの言葉である. ドイツ語の原典ではなく, Anscombeによって英語に翻訳された一節を以下に引用する.

  1. The aspects of things that are most important for us are hidden because of their simplicity and familiarity. (One is unable to notice something—because it is always before one’s eyes.) The real foundations of his enquiry do not strike a man at all. Unless that fact has at some time struck him.—And this means: we fail to be struck by what, once seen, is most striking and most powerful.

(Anscombe, 1995)

重要な事物の側面は, その単純さと親しみ深さゆえに隠されている. この観点は, 我々が言語と向き合う際に非常に重要な示唆を与える.

言語は物心つくときから誰もが使用しており, まるで空気のような存在として日常に慣れ親しんでいる. それはつまり, 日常で空気を意識することがないのと同様に, 言葉の仕組みを意識することも少ないということである.

しかし一方で, その構造などは非常に解明が難しく, もし言語の構造が完全に解明された暁には, ずっと目の前にあったものに突然驚かされることになるであろう.

参考文献

  • Anscombe, G. E. M. (1995). Cambridge Philosophers II: Ludwig Wittgenstein. Philosophy, 70(273), 395-407.

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