チョムスキーのX-Bar 理論について
チョムスキーは生成文法の提唱者として有名だが、その中でもX-Bar 理論という有名な理論がある。
これは標準理論の際に設定された句構造規則の規則が膨大になってしまうことを防ぐために一般化したモデルとして提案された。
これにより様々な句構造規則は、一般的なX-Barという形に収斂することとなる。
例えば、Noun Phrase, Verb Phrase, Preposition Phrase, Adjective Phraseといった様々な種類の規則が句構造規則には存在していた。
しかし、乳幼児が生得的にこれら複数の規則を持っているとは考えづらく、句構造規則に対して疑問を持たれていた。
そこで個別の句構造規則ではなく汎用性を持つX を仮定することでX Phraseとし、汎用性のあるXに規則をひとつにしようと提案されたのが、X-Bar 理論である。
また、このX-Bar 理論が導入された時期の理論を拡大標準理論という。
今回はその中の項目の覚書。
最大投射
主要部 X を投射して実現する句
指定部
X’を指定し投射を完結させる
中間投射
半句範疇 X’(Xシングルバー)を形成
付加部
随意的な要素
主要部
XPの基本特性を決める要素
補部
主要部 X に必要なものを補う要素
参考文献
- 畠山雄二. (2017). 最新理論言語学用語事典.
- 原口庄輔, & 中村捷. (1992). チョムスキー理論辞典. 東 京: 研 究 社 出 版.