適応とは?


チャールズダーウィンの「種の起源」の発表以降、 進化と言う概念が幅広く受け入れられるようになった。

その進化と言う考え方の中で 適応的と言う考え方がある。 ある個体が持つ生物学的な形質が、その個体の生存もしくは繁殖にとってメリットをもたらす場合、その形質を適応的であるとする。 適応的な形質はその集団の中で、世代交代を繰り返していくうちに拡散していく。すると、その集団は適応的な形質を持つように進化をしていく。

このようにして、自然選択によって長い期間をかけて少しずつ適応していくことを漸進適応 (gradual adaptation by natural selection)という。

他方で、 外在的な変化などにより、もともとは全く別の目的で適応的だった、もしくは全く適応的でなかった形質が短い期間の間で、急速に適応的になる場合が存在する。

これを前適応(preaptation) もしくは外適応(exapataion)という。

例としてコノハムシという木の葉に擬態している昆虫がいる。

コノハムシが木の葉に似た形状を持つことは、ジュラ紀の化石記録にも見られるが、その時代には広葉樹が存在しなかったため、この形状が木の葉に似ているのは偶然であり、最初は擬態のためではなかったとされる。広葉樹が出現した後、コノハムシの形状が木の葉に類似していたことが捕食者からの保護に役立ち、生存と繁殖に有利だったため、その形状が擬態として進化し続けた。この擬態は、時間が経つにつれて、木の葉にさらに似た特徴、例えば枯れ具合や虫食いの跡などを発達させてきたと考えられるが、この適応の起源は木の葉とは直接関係がないというのがポイントである。

つまり、元々の機能が偶発的に転用されるようになるという考え方だ。

この考え方は言語にも適用できる。

元々持っていた何らかの認知機能が偶発的に、 言語能力に転用されたということだ。

こういった考え方は、断続平行進化という形で検討が進められている。

参考文献

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