6年前の記事の振り返り。
6年前にCharles Hockett の提唱した人間言語の16 の特徴をまとめた記事を投稿した。
当時の自分の英語力については触れないものとして・・・。この整理は人間言語の特徴を非常にうまくまとめている。
他方、この16の特徴の中には人間以外の動物コミュニーションにも見られるような項目もある。
例えば、次の特徴は基本的にどの動物のコミュニケーションでも見られるような特徴である。
Rapid fading: 発話音声は一時的なものであり,永続しない
加えて、次の特徴は種は限られるものの、有名なミツバチのダンスにおいても確認される特徴である。
Displacement: 我々は,時間的,または物理的に離れたものについて話すことができる
このようにHockettの提唱した人間言語の16の特徴は、 それぞれの項目だけを見れば、人間以外の動物でも確認される特徴である。
では、人間の言語の特異性とは何であるかというと畠山 (2017)によれば、これらの項目を全て併せ持っているという観点である。
それぞれのの特徴を複数持っている種は存在していても、これらの特徴を全て有しているのは人間だけであるという観点である。
これは非常に重要な観点であり、人間言語を考える際のヒントになるポイントであろう。
参考文献
- 畠山雄二. (2017). 最新理論言語学用語事典. EBSCO eBooks.
- 本ブログ 人間言語の16の特徴 https://sy-linguistics.com/2018/12/10/japanese/human-language-16-linguistics/
- Hockett, C. F. (1960). Logical considerations in the study of animal communication. American Institute of Biological Sciences.