ミニマリスト・プログラムの要


生成文法の発展の歴史として、 最も新しく提案されているのがミニマリスト・プログラム (Minimalist Program)と言う考え方だ。

これは名前の通りまだプログラムの段階であり、理論化されていないため、現在もなお 様々な議論や批判が行われており、 それまでの生成文法理論と比べる粗は残るであろう。

そして、また名前の通りこのミニマリスト・プログラムは 従来の理論とは一転して、 ミニマルのつまり簡潔な入りを目指していることが特徴である。

なので、 従来想定されていた句構造規則や X-bar 理論は破棄されている。

では、何がこの理論の特徴かと言うと Merge (併合) という統語操作である。

これは簡単に言えば、α と β という2つの入力から γ という第3の要素を生成する操作である。

これを繰り返すことで以前まとめていた、階層構造依存(Hierarchical Structure Dependence)・ 再帰性 (Recursion)を実現することが可能になると同時に、それまで想定されていた複雑かつ膨大な規則を簡潔にまとめることができるようになるという特徴がある。

参考文献

  • 町田, 健. (2000). 生成文法がわかる本. ISBN 978-4-327-37680-2.
  • 原口庄輔, & 中村捷. (1992). チョムスキー理論辞典. 東 京: 研 究 社 出 版.

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