ミニマリストプログラムの重要事項


ミニマリストプログラムでは 基本的に統語操作は Merge (併合) という1操作のみを認める立場を取る. しかし,この立場は従来の生成文法の歴史を知るものからすると,あまりに簡潔すぎる.句構造規則だの変形規則だの,あれほど 乱立していた規則はなんだったのかと思えてくる.そしてあれだけ存在していた他の統語操作はどう説明するのかという問題が発生してくる.

この問題に対して,ミニマリストプログラムでは言語設計における第3要因 (The third factor ) というものを想定する.

この第3要因は,いくつかのカテゴリーに分けられる.まず,言語習得や他の領域で利用されるデータ解析の原理がある.次に,構造の設計や発達の制約に関する原理が含まれる.これらには,運河形成や有機的形態の生成,効率的な計算の原理などがある.特に,言語のような計算システムにとって,これらの効率的な計算の原理は非常に重要であると考えられる.つまり,言語固有の要素を取り除きその部分は自然界に元来存在している第3要因に任せることで理論を簡潔にすることができるのがこの理論の特徴である.

参考文献

  • Chomsky, N. (2005). Three factors in language design. Linguistic inquiry, 36(1), 1-22.

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