複雑性と安定性
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最近, 第三要因について考えており, 様々な文献を眺めている. その中で, 生物多様性とその維持システムについて論じている論文を読む機会があった.
地球上には数千万種もの生物が存在するという計算もあるが,このマクロなスケールの多様性の起源と維持機構についても生態学者の間ではいまだに議論が絶えない.これに対する数十年来の古典的な説明は,多種が共存する複雑な生態系は,種数に乏しい単純な生態系よりも安定なため地球上で普遍的に観察される,というものである.ところが,1970年代になって,多種で複雑な種間関係をもつ群集は不安定であるという理論研究による結果が示された.これが,『20世紀の生態学における未解決問題』の一つである,いわゆる『(生態学における)複雑さと安定性のパラドックス』である.
(Tokita, 2004, p. 682)
正直, 私は生物的なことは知見が乏しい. 一方で, このマクロなスケールの多様性と維持機構について議論が生じているというのは, とても面白い観点であった.
複雑なものと安定するものという関係性は, 言語がより複雑になっていけばなるほどどうなるかといった問いにもつなげて考えることができる. さらに以前の投稿でもまとめたが, 言語もまた生物的な振る舞いをすることがあり, ある個別言語の栄枯盛衰はまるでとある生物の種のように繁栄したり, 絶滅したりしてしまう. その観点でも, このパラドックスはとても興味深いと思った.
参考文献
- 時田恵一郎. (2004). 多様性の進化と維持機構. 人工知能学会誌, 19(6), 678–685.