言語と自己組織化
言語は様々な捉え方ができる, 非常に興味深い対象である.
生成文法(Minimalist Program)では, 心的な器官として備わっている生得的な能力と捉えているが, それはまた別の要因(第二要因, 第三要因)に制限されるというような発想が用いられる.
他方で別の発想方法を持つことも理論上は可能である. Steels (1995)は次のような仮説を提案している.
Language is an autonomous adaptive system that forms itself in a self-organizing cultural process. Language is therefore similar to other self-organizing phenomena observed in biosystems, such as paths in an ant society, clouds of birds, and so forth.
(Steels, 1995, p. 1)
これもまた非常に興味深い発想である. 言語は自律的な適応システムであり, 蟻が作る道や鳥の群れの自己組織化現象に類似する. つまり, 言語という現象が自ずと自律的に特徴を形作ると考えられる.
すると, 生成文法とは異なる発想や着眼点で物事を捉えることになり, また別の形での成果が現れるかもしれない.
参考文献
- Steels, L. (1995). A self-organizing spatial vocabulary. Artificial Life, 2(3), 319–332.