人類の認知能力はどのように発達してきたか


人類は 歴史の中で生活形態も変化してきた. その変化に伴って我々の能力というのも変化すると考えるのは自然であろう.Coolidge and Wynn (2009)は そういった変化してきたと考えており, そこには2つの大きな変化があったと主張している.

1つ目の変化は, 約150万前に 起きた木の上で寝ていたものが地上で眠るようになったと言う変化である。 これにより木から落下するような危険性がなくなったため、睡眠の質は向上したと考えられる. 睡眠の質が向上したので、夢に対して 影響が生まれ、夢の中での体験を仮想体験として経験することが可能になった.

2つ目の変化は, 約10万から4万年前に起こったワーキングメモリの増大である. この時代には、芸術や美術や複合的な要因を必要とするものが存在しており、今日の我々と通ずる部分が存在していた. これは脳のワーキングメモリの増大が関与していると考えられる.

こういった認知能力の変化は当然思考に影響し、それが言語において何か影響を与えている可能性は十分ある.

このように多面的に、言語について考えられるのが学祭的な研究の面白いところである.

参考文献

  • 藤田, 岡ノ谷, & 浅田. (2012). 進化言語学の構築: 新しい人間科学を目指して.
  • Coolidge, F. L., & Wynn, T. G. (2018). The rise of Homo sapiens: The evolution of modern thinking. Oxford University Press.

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