言語能力の生物的な知見
言語能力を観察的に生物学的見地から説明しようとした試みとして有名なものにEric Lenneberg の The Biological Foundations of Language というものがある。これは生物学と言語学の学祭的な内容を初めてちゃんとまとめて発刊された本として有名である。
この本の中で Lenneberg は 幼児の失語症の回復過程から 脳の可塑性と言語能力についてまとめている。
簡単にまとめると、 下記のようなものだ。
失語症発症のタイミング | 観察結果 |
---|---|
2歳未満 | 子どもは言語知識を完全に失う。その後、子どもは再び言語を習得し始め、最終的に言語能力が回復する。 |
2歳 – 12歳 | 子どもはほとんどの言語知識を失う。その後、子どもはその時点から言語を習得し始め、最終的に言語能力が回復する。 |
12歳以降 | 子どもは少しの言語知識しか失わない。その後、子どもは言語を習得し始めることができず、最終的に言語能力は回復しない。 |
Lenneberg (1967)
これは1967年の観察であるため、その後再検討はされているものの、 言語と生物学的な基盤を結びつけた研究として非常に重要であると言えるであろう。
参考文献
- Lenneberg, E. H. (1967). The biological foundations of language.