理論の変遷は必ずしも進歩ではないということについて


言語学も言語学以外も学問と言うものは、理論と言うものを打ち立てることが多い。 例えば、有名なところで言うと物理学の中の相対性理論というものがある。 これはアインシュタインが提唱した理論で、実験等でその有効性が確かめられている。

一方、現在発展途中の理論と言うものも多々ある。 言語学の生成文法等はその一例だろう。

生成文法は70年近くに渡って議論が行われている理論であり、 都度改定が行われてきた。

初期標準理論から始まり、現在までにミニマリストプログラムなどが提案されている。

これは一見理論が常に進歩してきたと捉えられるが、畠山 (2019)によれば 理論言語学史上で起きてきた重大な分岐は既に決着した分岐ではなく、現在においても議論の余地が残っている分岐であることを指摘している。 加えて、実際に最新の理論ではなく、別の理論も用いて 比較検討している人々もいる。

最終的なゴールは包括的な説明をできる理論を構築することであるが、 その発展途中の理論には、それぞれ優れている点も劣っている点もあると言うことである。

このことを念頭に勉学に励んでいきたい。

参考文献

  • 畠山雄二.(2019). 理論言語学史

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