前回に続いて、Research MethodのLecture2をアウトプットしたいと思う。

前回の復習をまず簡単にしておこう。

言語は科学的に研究可能であり、それは異なった要素(Levels)に分解して解きほぐして行われた。そして、その要素としてSyntax, Phonology, Morphology, Semantics, Pragmaticsがあった。

科学的に研究するとは、観察→理論立て→仮説立て→実験データ→検証→観察・・・のループである。

  • 理論とは詳細なものではなく、総体的なアイデアのこと。
  • 仮説は理論より詳細で、なおかつ実験によって検証可能なもの
  • 実験は自分で環境を整えて実際に行うもの(化学実験など)と正確な観察によって行うもの(星の動きなど)
  • 検証は実験で得たデータ(Data)を分析し、自分の仮説に一致するか・しないかを検討すること。

ここまでが前回の復習である。

今回はこの科学的(Scientific)ということを深めていく。

Feynmann(1988)は

  • 観察は対象が起きているのか起きていないのかの判断である。
  • 科学において『証明』とは試すことである。
  • これは科学者に、「もし私がこうしたら、何が起きるだろう?」という問いと「これをすべきか?」「この価値は何か」という問いを与える

 

1つの一般的な考え方として,科学者はバイアスのかかっていない客観的な観察を行い,一般的な法則を導くことを目指す.しかし,観察というものを客観的に行うというのは実は難しい.人は無意識の間にバイアスをかけてしまうのだ.(錯視がいい例である)

「Müller-Lyer illusion」の画像検索結果

 

もう1つはidealizationという考え方がある.理想化である,あえて,細かい点を見過ごし抽象化することで大筋の理論を構築できるので.その理論に従って観察も行えるというわけである.もちろん,細かい点についての議論も必要であるが,理想化できれば,その後に個別のモデルケースとして捉え直すことも可能になる.

例えば,”英語”というものを考えると様々な方言があるし,英語が話せる人というものを客観的に判断することは難しい.しかし,例えばBBCの原稿に用いられる言語と理想化すれば”英語”に関する議論が可能になるかもしれない.

このように共有できる前提ができたら,次は演繹法か帰納法を用いて考えていくことになる..

演繹法は,簡単に言えば全体の法則から個別の事象を考える.例えば数学を挙げると,2つの三角形が合同なら対応する辺は等しい.よってどんな個別の三角形も合同なら辺の等しさを証明できる.

対して,帰納法は個別のものから全体の法則を考える.例えば,1ヶ月前雨が降ったときはあの人は機嫌が悪かった.先週雨が降ったときもあの人は機嫌が悪かった.昨日雨が降ったときもあの人は機嫌が悪かった.あの人は雨が降ると機嫌が悪くなる. 先月・先週・昨日という個別の事例から一般的な法則を探したのだ.統計学などはこの方法の最終的な形態と言える.しかし,これはあくまで確率が高いという蓋然性を超えられない.

こういった考察のもとで,仮説をたて,検証し,結果を得ていく.冒頭の観察→理論立て→仮説立て→実験データ→検証→観察・・・のループである。

しかし,今回はいかに客観的な観察が難しいか,理想化という手段の有用性を学んだ.

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