言語に固有のルールはない
生成文法の歴史において, 個別言語と普遍文法の相反する特性の説明可能性は非常に重要な問題であった. その解決に一筋の光をもたらしたのが, Principles and Parametersの発想である. 次のチョムスキーの言葉を見てみたい.
No language-specific rule system is postulated: structures are directly computed by UG principles, under particular parametric choices. At the same time, the notion of a construction-specific rule dissolves.
(Chomsky, 2002, p. 14)
言語固有のルールシステムというものは仮定されることはない. これは生成文法の理論構築においての大きな方向転換といえよう.
そして, この方向転換の大きな点は, 理論がより簡潔になるということである.
以前は個別言語ごとのルールなどを検討する必要があったが, 共通の原理と, 言語ごとに切り替わるパラメータによって定義し直すことで, よりシンプルな説明が可能になった.
参考文献
- Chomsky, N. (2002). On nature and language (A. Belletti & L. Rizzi, Eds.). Cambridge University Press.