統計学習の重要性.


生成文法をやっていると, UG(普遍文法)などのことを学び, 逆にUGのみで言語のすべてを説明しようとしているような印象を持つ人もいるかもしれない.

他方, 実際の生成文法では様々な要因を考慮に入れる. よくある対立的な考えとして, 人間の言語というのは統計的な学習のみで実現できると考えているものもある. これが対立項として捉えられてしまうと, 生成文法では統計的な学習はあまり考慮しないように思われてしまうこともあるが, そんなことはない. 次の一節を見てみよう.

Though real results remain sparse, except in the novel sense of “success” adopted by recent computational cognitive science, the role of statistical reasoning and other cognitive processes in language acquisition is potentially a significant area of research, something that has never been in doubt since the early origins of current work, contrary to many misperceptions.

(Chomsky, 2011, p. 270)

ここでも述べられている通り, 統計的な推論などは潜在的に重要な研究領域であるとされている.

つまり, 統計学習自体を否定しているわけではないが, 統計学習だけで言語の本質を説明できると言うには, 少々言い過ぎな部分があるということである. これは以前の投稿でもまとめた, プラトンの問題にも関わってくる点である.

参考文献

  • Chomsky, N. (2011). Language and other cognitive systems. What is special about language? Language Learning and Development, 7(4), 263–278.

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