遺伝子と外在化
以前の投稿で度々「内在化」と「外在化」については触れている.
今回はさらに,そこに「FOXP2」という遺伝子要素を絡めて見てみたい.
This “input-output” picture matches up with the FOXP2 story. Our view is that FOXP2 is primarily a part of the system that builds component (2), the sensorimotor interface, involved in the externalization of narrow syntax—like the printer attached to a computer, rather than the computer’s CPU.
(Berwick & Chomsky, 2016, p. 40)
この比喩は非常に興味深い.
Narrow Syntaxと外在化の関係性を,コンピューターの CPU とプリンターの関係で表現している.コンピューターはその文字通り「コンピュートするもの」,つまり計算機が元の意味であり,その意味で真の役割は演算装置であると言える.
他方,今を生きる我々は,そのコンピューターによる演算結果を表示や出力として受け取ることが多い.例えば,我々が普段目にしているのはディスプレイに表示された文字列であるが,この文字列が裏側でどのような計算を経て出力されているかを意識することはない.
このように本質的な役割を考えていけば,言語の本来の役割はある意味で CPU であり,我々が普段受け取っている情報は,そこに接続されたプリンターから出力されたものであると捉えることができる.
参考文献
- Berwick, R. C., & Chomsky, N. (2016). Why only us: Language and evolution. MIT Press.