不可分性と接近不可能性


以前の投稿でlexical integrity(語彙的緊密性)というものを見た.

今回はさらに, その語彙的緊密性が具体的にどのような側面を持ち, 統語的要素が介入しないのかという観点を見たい.

Booij (2009) は, 語彙的緊密性は2つの側面, すなわち不可分性 (non-interruptability) と接近不可能性 (non-accessibility) から成るという議論を行った. その上で Booij (2009) は, 不可分性は語彙的緊密性の定義的特性であり侵されることはまずないのに対し, 接近不可能性は必ずしも排除されるものではないと主張した.

(江畑, 2018, p. 42)

これを見ると, 語彙的緊密性という一つの仮説においても, 複数の側面での議論が行われていることがわかる. さらにその特性においても例外があることもあり, 単純に一つの総体として語彙的緊密性を論じるのではなく, それぞれの側面に適切に分類し, その性質を把握しながら議論を進めていくことが重要であろう.

(この論文ではさらに, 他にも別の論文を引用しながら, この特性分類について言及している箇所もある.)

参考文献

  • 江畑冬生. (2018). 統語的要素を入力に含む派生に見る語彙的緊密性(lexical integrity)の問題. 東京大学言語学論集, 39, 41–53.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です