母なる自然
生成文法, とりわけミニマリスト・プログラムでは, 言語学を真の自然科学にすべく, 新しい視点を様々と持ち込んでいる. とりわけ大きい理論変化が, 第三要因の想定である. 第三要因とは, 言語以外にも通じる一般的な法則(例えば効率性などの観点)から, 言語の特徴を捉えようとする試みであるといえる. Chomsky (2022) はMother Nature(母なる自然)という比喩を用いながら, 言語を次のように表現している.
To put it metaphorically, when Mother Nature created language, she found the simplest possible solution – which is, incidentally, the way evolution works generally.
(Chomsky, 2022, p. 354)
simplest possible solution, 可能な限り簡潔なソリューション. これがミニマリスト・プログラムの基本的な発想であり, だからこそ面白くも難しくもあるのであろう.
この影響でよりクリアになった部分もあれば, 逆に理論構築が難しくなった部分など, さまざまある.
参考文献
- Chomsky, N. (2022). Genuine explanation and the strong minimalist thesis. Cognitive Semantics, 8(3), 347-365.